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【燃料タンクコーティング】センダユニットのお話です。

 

 

■今回は「センダユニット」のお話をしていきましょう。

 

 

 

 

・ところで「センダユニット」って何?

 

 

燃料タンクには「センダユニット」と呼ばれる部品が付いています。
自動車メーカーによっては部品名の呼称が違う場合もあります。
「フューエルゲージセンダーユニット」「フューエルゲージセンサー」
「フューエルレベルセンサー」「フューエルタンクユニット」など様々です。

 

「センダユニット(Sender-Unit)」を直訳すると「送信機」となりますが
主な機能としては
『燃料タンク内にある燃料の<残量情報>を読み取って送りだす部品』ということになるので
「センダユニット」=「燃料残量を監視するセンサー」=「燃料残量計測センサー」
という感じに意訳した方が分かりやすいかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

・センダユニットの構造

 

センダユニットで読み取られた燃料の残量情報は
受信側のメーターへ送られて運転手に見える形として燃料計に表示されることになります。
形状や構造は燃料タンクの形によって大きく違ってきますが
例外的に特殊な計測方法の車両(日産車ではF30/31レパード・C32ローレルの一部グレードなど)を除き
どの時代のセンダユニットも大雑把には以下のような流れで燃料の量を計測しています。

 

 

 A:燃料タンク壁面や天井部にユニット本体がありフロート(浮き)が接続されています。
 B:フロートが燃料の液面に浮いていて燃料の増減にあわせて上下or左右方向に動きます。
 C:フロートの動きにあわせて可変抵抗の接点が動くことで抵抗値が変化します。
 D:抵抗値が変わると通電する電圧に変化が出てきます。
 E:変化した電圧値を読み取ることで燃料の残量がメーターに表示される。
  
    燃料タンクが空の状態から燃料を注入していくと液面が上方向に上がっていきます。
    液面が上がっていくと同時に左図のようにフロートが上昇して可変抵抗の接点も同じく上昇していきます。
    燃料が少なくなってくると右図のようにフロートが下降していき可変抵抗の接点も一緒に下がっていきます。 
    燃料の液面が上下する動きに合わせて抵抗値が変化→流れる電流値をの増減を読み取ることで燃料計が動きます。

 

センダユニットの材質は時代により変化してきています。
1950年頃の旧車ではダイキャスト製のユニット本体に金属製のロッド・フロートが使われています。
このあたりの年式ではセンダユニット取付部のパッキンが紙やコルクが使われていることも。
金属製(鉄・真鍮など)のフロートは燃料の酸化反応により穴開きが発生しやすく
ガソリンがフロート内部に入ってしまうことで浮力が無くなってしまい
正常に動かなくなるため修理や交換の作業が必要でした。

1960年代にはユニット本体は亜鉛メッキされた鉄製品やアルミ・SUS素材が主流になり
フロートはサビによる穴開きのリスクがほとんど無い樹脂製へと変わっていきます。

1980年代以降はユニット自体が大型化してインタンク式燃料ポンプと
一緒に取付けられる車種が増えていきます。
この頃からフロート以外にも部分的に樹脂が使われるようになっていきます。

1990~2000年頃にはユニット本体やホースが樹脂製となっていきます。
金属製パーツの比率はかなり低くなっています。

 

 

   
    左図はダイキャスト製の本体(310系ブルーバード用)脱着式の金属製フロートはパンクしたので外しています。
    右図は金属製になった本体(410系ブルーバード用)四角い形状のフロートが樹脂製になっています。
    この頃まで日産車のセンダユニットはネジ固定式が主流でした。

 

 

   
    左図はネジ固定式からロックリング式に変わったユニット(510系ブルーバード用)
    パッキンはゴム板形状からOリングへと変わりました。

    右図は可変抵抗が樹脂&セラミック製に変わりフューエルラインと一体化したユニット(K10マーチ用)

 

 

国産車では旧車~現代のクルマまで
センダユニット本体から伸びたロッド状の部品にフロートが付いているモノが多い印象ですが
ドイツ車を中心に欧州車での採用例が圧倒的に多いのは下画像のセンダユニットです。
センダユニット本体が筒型になっていて
樹脂製フロートが筒内を垂直方向に上下移動するような構造になっています。

 

   
    VDO製センダユニット(ポルシェ911系用)
    天井部のフタはダイキャスト製、中央部を貫通する棒はSUS製、筒状の部品はアルミ製です。

    こちらは燃料タンクに対して天井部から垂直に立てられる方向で取り付けられていて
    上下方向にフロートが動き抵抗値を計測します。
    この筒型はヨーロッパ系の自動車メーカーに使われることが多い形状ですね。
    燃料タンクの高さに応じて様々な長さのモデルが存在しているようです。
    電車のパンタグラフのように上下するフロートに付いた接点とニクロム線が接触して抵抗値が変わります。
    とっても繊細な作りでドイツ人独特の「ものづくり精神」を感じます。

 

 

なんで急にセンダユニットの話を始めたのか?
それは燃料タンクコーティングと深い関係性があるからです。
そして場合によっては機能に大きく影響がでてしまうから、です!

 

 

 

 

 

 

・燃料タンクにサビが出ていたら…センダユニットも点検を!

 

 

まず普通に考えて燃料タンク内部にサビが出まくっている場合には
相応にセンダユニットもヤラれていることが多いです。
燃料タンクがダメならほぼ100%センダユニットも同時にアウト!ですね。
前述した通り特に古いクルマはセンダユニットの本体部分が鉄製なので
同時にサビサビ~になってるはずです。
運が良い場合にはメッキが剥がれてサビが出ている程度かもしれません。
最悪の場合にはロッドがガッツリと固着しておりビクともしない、という感じになります。

 

一部の旧車にはダイキャスト製のボディが使われており
燃料タンク内部の酸化が進んだ影響でボロッボロに脆くなっているケースもあります。
状況が悪いとほとんど原形を留めていない、なんて場合も…
少し衝撃を与えると粉々に割れてしまうほどに強度がなくなっていたりします。
ダイキャスト製品の補修には限界があり、ほとんど何も出来ない…なんて事もあります。

 

比較的新しい年式の燃料タンクでは本体が樹脂製になってはいるので
金属製よりも経年劣化に対してはかなり強くはなっていますが決して安心はできません。
部分的には金属を使っていますからその場所は確実にサビが出ていますし
樹脂の厚みが薄い部分やセンダユニット本体やホース類の脱着時に力がかかる部分に
クラックが入ってしまうこともありますので入念な確認が必須です。

 

 

燃料の残量を計測する可変抵抗の本体側と接点側にも汚れが付きます。
接点部分の汚れの影響で抵抗値が増大しまともに通電をしなくなります。
結果として適正な数値が送り出せなくなるため
燃料計が上手く動かないorなどの全く動かない、などの燃料計の表示がおかしくなる現象が出てくるでしょう。

 

 

また旧車の可変抵抗に使われるニクロム線が
経年劣化や酸化反応の影響などで断線してしまうケースも。
古くなったニクロム線は柔軟性が無くなって固く折れやすくなっています。
可変抵抗の接点が擦れる部分は使用年数によっては摩擦で薄く削られていることもありますから
あまり激しく傷を入れてしまうようなクリーニング方法は避けた方が良いでしょう。

 

   
    導電性の無いベイクライト素材の筒(左図:310ブルーバード)や
    同素材の板(右図:510ブルーバード)にニクロム線がコイル状に巻き付けてあります。
    コイルに触れている銅板がフロートに合わせて動くことで抵抗値が変化していきます。
    このコイルに変性物質が付着して汚れることで接点が焼けてしまい
    ニクロム線→銅板への導電性が失われていきます。
 
    鉄製の本体と比較して経年変化に強い素材なので汚れを落とす程度で復活してくれる症例が多いですね。
    ニクロム線は1か所でも断線すると機能しなくなるのでクリーニングは優しく作業をするように! 
    

 

高年式の樹脂製ボディのタイプになると「基板型の可変抵抗」というのもありまして
セラミック板に金色の導電体と黒色のカーボン系素材が焼結されている
という形状のモノが主流になっていきます。

 

 

この基板を汚れが付いているからといって強力な洗浄剤を使いゴシゴシと固いブラシで擦ると…
カーボンがキレイサッパリ無くなってしまい導通がなくなってしまいますので注意が必要です。
こうなってしまうと修復する方法は「部品交換のみ」になります。
純正部品が製造廃止になっているとナススベ無くお手上げ!になってしまうでしょう。

 

 

このカーボンが部分的に切れてしまった場合も上手く抵抗値が出力しなくなるので気を付けて!
ちなみに…車種やグレードによって抵抗値の設定(最高値・最低値・変化率など)が違うので
似たようなカタチの部品でも中身が全然違っている、なんてことが多々あります。
なので簡単に流用が出来るという訳でもないので
スペアの部品が調達出来ていない場合には慎重に取り扱うようにしてくださいね。

 

   
    「基板型の可変抵抗」は「ニクロム線コイル型」と比較すると基本的にはとても丈夫な部品です。
    導電体の部分は金属を焼結させているので強固なのですが
    経年劣化したカーボン部は意外と簡単に剥がれてしまいます。
    強力な洗浄剤の使用は避けて柔らかいブラシで優しく擦る程度のクリーニングに留めておきましょう。

 

 

どのタイプの可変抵抗にしても華奢で繊細な作りになっているモノが大半です。
洗浄や清掃だけをする場合であっても充分に注意を払って作業を行うようにしてください。
とにかく1か所だけでも切れてたり割れたりしまうと
補修作業自体が出来なくなるモノですから分解をする場合にはさらに注意が必要です。
作業後には必ずテスターにて導通点検や抵抗値の計測を!
接点を動かした際にスムーズに動くか?といった点検を実施するようにしましょう。

 

 

 

 

 

 

・センダユニットの修復方法

 

 

センダユニットにトラブルが出てしまった場合は…
新品部品に交換することで「一瞬で」しかも比較的「安価で」「簡単に」解決できます!
しかしながらいつも通りここで問題になるのが
「新品部品なんてもう無いです!」というお決まりのパターンです。
ネットオークション等で程度の良い中古でも入手できればラッキーですが
車種年式によってはほとんど出品されることが無い…なんて話も良く耳にします。

 

弊社では鉄製センダユニットであれば出来る限り分解して再メッキを施工することができます。
樹脂製のモノについても部分的には鉄素材を使っているため
サビが出ている箇所があったりするのですが
鉄製のロッド類をユニット本体から外して再メッキする、といった事もできます。

 

 

燃料タンク内部の電気配線についても交換が可能です。
常時燃料に浸かったままの環境で使用することになるため
一般的な自動車用ワイヤーハーネスに使われるPVC皮膜ではなく
特殊な皮膜を使った燃料タンク内部でも使用可能な配線を使用することになります。
センダユニットの配線を固定するハンダについても
一般的に入手できるタイプのハンダゴテでは溶かせない高温型が使われています。
簡素な構造の部品なので一見すると誰でも簡単に内部部品を交換修理出来そうに思うかもしれませんが
それなりに専用の材料や特殊な工具が必要となりますので注意が必要です。
わざわざ純正部品が「高価で特殊な材料を使っている」ということには必ず意味があります。
ココの補修方法や材料選択を誤ると非常に危険です。

 

 

 

 

 

・センダユニットなどに使われるパッキンやシールのお話

 

 

通常、センダユニットを含む様々な付属品を燃料タンクに取付ける際には
燃料漏れ防止の目的で必ずゴム製のパッキンを入れることになるのですが
車種によってはいつもの「純正部品が製造廃止になっていて入手できない」
ということが多々あります。
ネジ固定の形状のユニットであれば
ゴム板をカットして自作することも可能なのですが…ココも材料選択が重要になってきます。

 

実はこの燃料タンクまわりに使われるゴムやパッキンですが
基本的には「NBR」と呼ばれる種類のモノになります。
しかしながら、ホームセンターでも販売されているような一般的なNBRゴムとは
名称が一緒なだけで性状が全く違っています。
燃料タンクまわりに使われるNBRゴムは
一般的にはあまり流通していない耐ガソリン性能の強いタイプでして
尚且つ標準的なゴムよりも硬度が高い(=固い)モノになっている事が多いのです。
つまり「燃料タンク向け専用品の性状と硬度を持ったゴムをベースに作られている」
ということを是非とも知っておいてください。

 

耐性が無いゴムを使ってしまうと…燃料が浸潤してベロベロ~に伸びてしまったり…
ゴムの硬度が柔らかすぎて固定ネジを締め付けると部品の横からゴムがはみ出てしまったり…
とにかく誤った素材を選んでしまうと燃料漏れのトラブルに見舞われることになります。
ゴムは見た目だけでは性能が全くわかりませんし手で触ってみたところで判断できるモノでもありません。
用途によりかなり細分化されている材料ですから
自作をする場合にはゴム素材を取り扱う専門の業者さんに用途を相談のうえで材料を購入するのが安心です。
  かなりの余談になりますが、実はセンダユニットのパッキンは…
  モノによっては他メーカーの製品とネジ穴位置が全く同じなので無加工で流用が出来るケースが多々あります。
  特にヨーロッパ系メーカーは現在でも古いクルマの部品だとしても多少は高価にはなりますが入手可能であったりするのです。
  いかに高価とはいえいちいち材料を買って自作するよりも確実に安価ですし
  そもそも大手自動車メーカーの純正部品なので品質には間違いが無いということもあり
  弊社では出来る限り「他メーカーの純正部品」であったとしても購入して使うようにしています。
  手作りするのは最後の手段、なんですね~
 

 

 

ネジ固定型のセンダユニットについてネジやビスに1枚づつシールワッシャーが入る場合があります。
車種によっては純正部品の指定で銅ワッシャーであったり紙パッキンであるケースもあります。
このシールワッシャーは「ネジ穴が燃料タンク内部まで貫通している形状」であれば
必ず取付をしないと燃料が漏れてきます。
これは燃料がネジ山の溝を伝って毛細管現象を起こしていることが原因でして
シールワッシャーを設置しないことで燃料がほんの少しでも漏れ始めてしまうと
ジワ~っと漏れ続けて止まらなくなる…ということになります。
ただし
「ネジ穴全体が袋状に覆われていて燃料タンク内部に貫通していない構造」
「ネジ穴が燃料には全く触れない構造になっている」
という燃料タンクであれば
この現象が一切起きないのでシールワッシャーは必要ありません。
(トヨタ車は古くからこの構造が多いような気がします)

 

で、このシールワッシャーですが
実は各社で用途別にかなり多くの種類が販売されておりまして
オススメは柔らかい金属とゴムを掛け合わせたような形状の製品になるのですが
燃料タンクに使う場合には必ず「耐ガソリン性能のあるモノ」を使ってください。
一般的なシールワッシャーよりも若干高価にはなりますが
やはりココの部分は「専用品」を使うことを強くお勧めします。

 

燃料タンク周りのシールワッシャーには銅orアルミワッシャーを使っても勿論良いのですが…
ネジ径がM5とかM6あたりの太い場合には
サイズ的にネジ山の強度も高くしっかりと締め付けることが出来るので問題ないかと思います。
ところがM3~M4あたりの細いネジ…といいますか「ビス」を使っている場合には
締め付けトルクの値がそもそも低いこともあり
座面の状態が悪い場合にはワッシャーが上手くフィットせず
どうしても燃料漏れが止まらないことがあります。
また無理にワッシャーを押さえつける目的で細いネジに対して過大なトルクをかけてしまうと
ネジ山を破損する可能性もあるでしょう。

 

 

専用のシールワッシャーであれば細いネジの締め付けトルクでも
柔軟性が高くしっかりと変形して座面にフィットするので確実に漏れ止めの効果が得られます。
太いネジ径+銅ワッシャーの組み合わせでも漏れが出てしまう場合には
こちらの製品に変更することで修復できることもあります。

 

 

なお、このタイプのシールワッシャーは複数回使用可能と記載されている商品もあったりしますが
基本的には1度の使用ごとに交換しておいた方が良いかと思います。
エンジンオイルなどのドレンボルトのワッシャーと同じく
目視や寸法の計測だけで潰れ具合や使用限度がはっきりと解るモノでもありません。
頻繁に脱着を繰り返すような場所でもないので毎度交換しておいたほうが無難だと思うのです。

 

 

 

 

 

 

・横置き型のセンダユニットについて

 

 

通常、センダユニットをはじめ燃料タンクに付属する部品は天井側に取付けるケースが多いのです。
理由としてはユニット本体もしくはパッキン周辺で燃料漏れが発生した場合に
出来るだけ被害が少なくなるように、との配慮からそのような配置になっていったそうです。
また整備性の問題としてある程度の燃料が入っている状態でも
センダユニットの脱着をしやすいように、という理由もあるとも考えられます。

 

センダユニット本体を再メッキなどで再生をする場合に
気を付けておいた方が良い形状のセンダユニットがあります。
各通電部分の端子がボディから硬質ゴムやベイクライトで浮かせて絶縁した状態にして
鉄リベットにてカシメをされている構造が多いのですが
このリベット部分の絶縁体が経年劣化で割れたり緩くなってしまうことで
燃料がじわじわ~と漏れてくる、といった現象が出ることもあります。
   
    画像のセンダユニットは導通部分の絶縁に硬質ゴムを使用しています。
    赤枠部分に硬質ゴムを挟み込んだ状態でリベットカシメを打ち込んでいるのがわかるかと思います。
    ココのゴムが経年劣化で割れたりすると燃料が漏れ出てきます。
    車種によってはゴムとベイクライトを併用している場合もあります。

 

特に燃料タンクの横っ腹にセンダユニットが付いている場合(横置き型)この症状が出やすいです。
ごく一部の例ですが車種としては以下のような感じです。
 >日産車:410ブルーバード系・510ブルーバード系など
 >いすゞ:117クーペなど
 >スバル:ff1など

 

そういった症状が出た場合には、無理にリベットを打ち直すのではなく
他の車両に使われる新品部品を上手く流用することで
各部を車両にあわせて最適化させることで対応ができるケースもあります。
液体ガスケットを大量に塗りまくって誤魔化す…といったような安易な修理で終わらせてしまうと
結局すぐに燃料漏れが再発してきますので…絶対にやめておきましょうね。
経験上の話ですが弊社に入庫した段階で液体パッキンがモリモリ~に補修?されている燃料タンクを良く目にするんですよ…
現在でも純正部品のパッキンが普通に売っている部分にも関わらずモリモリ~っと補修?をされている。何でそんな事になるのかなぁ?

 

弊社では結構色々なメーカーのセンダユニットを修理してきました。
国産車では他メーカーの純正部品でもよーく見てみると…アレ?形が一緒だ!なんてことも。
実は他メーカーでも部品単位ではサプライヤーが同じ会社だったりするので
同じ世代の車両であれば意外と無理なく流用ができてしまったりするものなんです。

何でも確実に直せる訳ではないのですが、お困りの際には是非一度ご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

■燃料タンクコーティングによるセンダユニットへの影響

 

 

燃料タンクコーティングを施工した場合に
センダユニットの性能に影響を与えてしまうケースがあります。
コーティング皮膜に導電性が無いので燃料タンク全体が「通電しなくなる」といった問題です。
これはセンダユニットの構造により全く影響が出ない車種の方が圧倒的に多いのですが…

 

 

旧車の燃料タンクの多くは内壁・外壁ともに亜鉛メッキ鋼板で作られています。
車両のボディ側にネジ止めして固定した際に燃料タンク本体とボディ間に導電性を持たせるためです。
このボディアースを積極的に利用してセンダユニットからの計測値を送るようにしている車種があります。
こういった構造の車両の場合、
燃料タンク内部壁面がコーティング皮膜で完全に覆われることにより
センダユニット→ボディ間の導電性を失ってしまうとセンダユニットからの計測値が送れなくなります。
結果として燃料計が動かなくなる症状が出る車種があるのです。

 

 

このトラブルが出てしまうセンダユニットの大きな特徴として
「センダユニットのアースを燃料タンク本体のボディアースにのみ頼っている」という構造です。
つまり「センダユニット本体にボディアースへ繋がる接点がそもそも無い」といった形ですと
コーティング施工をしてしまう事でほぼ確実に燃料計が動かなくなってしまいます。

 >車両例(日産車):B10・B110・B210・B310サニー系・510ブルーバード系など

 

私見では大衆車や軽自動車に多い印象なので
おそらく部品単位でのコストダウンのためにアース端子が排除されたのかな?と思います。
上記例に挙げた日産車だけでなく他メーカーにも同様の仕様は結構あるようです。

 

 

ネジ固定タイプのセンダユニットであればアース配線を製作して
固定ネジの間に挟み込んでから車両のボディ側のアースへ繋いであげれば大丈夫です。
しかし、ロックリングでセンダユニット本体を固定する車種については
困ったことにアース配線を取りつける場所が一切ありません!

 

 

そこで基本的な施工方法として弊社で実施しているのは
「センダユニット本体に溶接で端子を追加する」といった加工になります。
こちらの加工はセンダユニットに溶接でアース端子をくっつける、といった方法を使います。
外面側・内面側共に一部にはなりますがメッキを剥がしてしまわなければなりません。
そういったこともあり基本的には端子を付けた後に再メッキ施工が必須になってきます。
結局、1度は完全に分解するような方向にはなってしまいますね。

 

誰でもお手軽に思いつく方法として
「センダユニットにネジ穴を開けてボルトを外or中から突き刺す!」もあるのですが
この構造にしてしまうとしっかりとパッキンを入れたとしても
経年劣化やボルトの緩みでガソリン漏れが出たりする可能性が残ってしまいます。
結果として点検箇所が増えちゃうので弊社ではしっかりと溶接で作ります。
作業自体が面倒でもしっかりとした構造に作っておけば余計なトラブルには会わずに済みますからね!

 

 

  
    ボディアース端子の無いセンダユニット本体に追加加工をした施工例です。(画像:510ブルーバード用)
    日産旧車はセンダユニットの多くが画像のようなロックリング固定式なので
    ボディアース端子が無いセンダユニットの場合、簡単に増設ができません。
    M4ボルトのネジ山が出ている部分が追加加工をしたボディアース端子になります。
    ボルト穴開け+ネジ山を切った後に内側からネジを入れて溶接、漏れ止めと緩み防止を1度に済ませてしまいます。
    もともとサビが酷くボロかったですし溶接する関係で汚れや亜鉛メッキを完全に剥がしています。
    溶接時の汚れを取り除いてから再クロメートメッキを施工して完成です。
    ココはしっかりと施工しておかないと後々にネジが緩んできて燃料漏れ…なんてことになりますよ。

 

別の対策としては「センダユニットのボディをアース付きのモノと入れ替える!」
という大変贅沢な方法(荒業?)もあります。
この方法であればセンダユニットのボディに溶接や再メッキといった工法を使わずに済みますし
ドナーとなるパーツさえ手に入れば比較的簡単に移植が出来てしまいます。
純正部品だけではなくリプロ部品として入手できる新品をベースに流用するのもアリですね。
加工に自信のある方は是非トライしてみてください。
作業例として日産B210サニーで実施した画像をご覧ください。

 

  
    左側がドナーとなる他車種の新品センダユニットボディ、右側がB210サニーの純正センダユニットボディになります。
    ドナーの方は過去に新品部品を分解して余っていた弊社在庫品を使いました。
    流石に新品なのでクロメートメッキが抜群にキレイですね~
    B210(右)の方は1度サビ取りを実施したのでしょうか?メッキが完全に無くなって全体に不自然なサビが出ています。
    B210側(右)をドナー側(左)比べて見てみると電極の繋がる端子が1個多く付いているのがわかりますね。

    増えている部分の端子が「ボディアース」になっている、という訳です。

 

可変抵抗・ロッド・フロート一式は元のセンダユニットから移植します。
画像では可変抵抗を外してしまっているので移植をしなければなりませんが
運よくドナー側に全く同じ可変抵抗が付いてる!という場合にはココの分解が不要になります。
そんなこんなで組み立てをしてから各部を適正に調整してあげれば完成です。
移植の際にはどのパーツも繊細に扱うようにしてくださいね。

 

この工法の注意点としてはちょっぴり「特殊な加工」をしなければならない、ということです。
構造上、カシメを1~2か所だけ完全に外すことになりますが
パーツを戻した際にキチンとカシメ部分が外れない構造にして戻す方法を考えねばなりません。
どのように加工するか……はちょっとご自身で考えてみてください。
可変抵抗の導通部分にはセンダユニット本体にハンダ付けされている箇所がありますが
前述の通り普通のハンダゴテでは溶かせません。
無理に剝ぎ取るようなことは避けて高温対応のモノを用意して外しましょう。